オンプレミスからAWSのクラウド環境への移行を考える
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オンプレミスからAWSのクラウド環境への移行を考える 【1】事前調査編

クラウドファーストへのシフトが加速していく中、オンプレミスからの移行を検討している企業も増加傾向にあります。では実際にオンプレミスからAWSのようなクラウド環境に移行をする場合には、どうやって移行をすすめればいいのでしょうか?
AWSのクラウド環境への移行で必要な考え方、事前準備や移行時の注意点などを「オンプレミスからAWSのクラウド環境への移行を考える」の連載ではお伝えします。

AWSへの移行のステップ

事前調査、計画と実施、当日の切り替えの3つの作業ステップを順次進めていきながら、移行時の作業を明確にしていく必要があります。

クラウド移行のステップ

連載初回の本記事では「事前調査」について必要な5つの手順などを紹介します。

1.一番初めに決めること ゴール設定

まず移行のプロジェクトを立ち上げるときに重要となるのが「ゴール設定」です。

  • なぜ移行を行うのか
  • 何をどこまで移行するのか
  • いつまでに移行を行うのか

それぞれについて考え、移行の完了条件を設定することが大切です。

2.情報資産の棚卸し

事前調査ではステークホルダー、情報資産、月額費用の切り口でリストアップすると移行対象を把握しやすいでしょう。

ステークホルダー

システムに関わる人との密な連携が移行には必須です。社内の業務やシステムの担当者だけでなく、外部委託先やAPIなどで連携している外部サービスがある場合にはその担当者の連絡先もはじめに整理しておきましょう。移行に関係する各種業務調整や、移行作業でトラブルや障害が発生した場合の対処がスムーズです。

情報資産

実際に移行を行うシステムのドキュメント、ハードウェア資産、ソフトウェア資産などを把握します。見落としがちなのが、サーバーやシステムにアクセスするための各種ログイン情報や秘密鍵などです。移行作業に直接影響するため、アクセス手段の確保は重要です。

月額費用

外部でデータセンターやレンタルサーバーを借りている場合は、解約の時期を決める必要があります。解約条件を確認しましょう、一般的に移行が完了するまでは新旧両システムを並行で稼動させる事が多いため、移行期間中のコストも予算確保しておく必要があります。

3.移行対象の選定

AWSへの移行対象を選定します。例えば対象がシステムの一部なのか、全部なのかといった範囲や、複数ある場合にはどれから移行するかという順序も検討します。移行の優先順位付けは「業務課題」、「影響度合い」、「担当事情」等の切り口で比較すると、判断しやすくなるでしょう。比較的ビジネスインパクトが小さく、利用者の少ないシステムからPoC(Proof of Concept(概念実証))を兼ねて移行を進めてみるのは多くの場合良い選択です。小規模なシステムからの移行を早い段階で一通り行ってみることで、移行時の注意点が把握しやすい、早い段階からAWS上でシステムを運用する経験を蓄積できる、等のメリットが考えられます。

移行対象の選定方法

4.実機調査

設計書、設定シート、構成図、手順書などの各種ドキュメントが揃っていたとしても、実機調査をせずに移行計画を立てるのはトラブルの元です。管理ドキュメントの内容があっているのかの確認を含め、必ず実機調査を行いましょう。
過去、急ぎでCPUやメモリなどのリソースを追加したが、管理ドキュメントは更新されていなかった、というケースはよく聞く話です。実機のOSやミドルウェアのバージョンが管理ドキュメントより新しい、ということも考えられます。現環境の概要を把握するためにドキュメントを使いつつ、実機の状態を構成上の「正」として押さえるのが調査精度の面ではより安全でしょう。
逆に不要な設定が残ったままだった、ということもあるでしょう。実機調査と合わせてここで管理ドキュメントの更新と各種設定の棚卸しも行っておくと、その後の検討がやりやすくなるでしょう。

5.移行に検討が必要なもの

バージョンが古いOS、ミドルウェア

移行対象とするシステム、特にアプリケーションの動作要件は早めに把握しておきたいものの一つです。AWS側で移行前と同じ環境を用意できない場合が考えられるからです。例えばOSならRedHat4以前、Windows2000以前、あるいはミドルウェアのバージョンがあまりにも古いケースなどが挙げられます。この場合は、OSやミドルウェアは新しいバージョンの環境を用意することになるため、アプリケーションの動作テストが重要なタスクになるでしょう。場合によってはアプリケーション側の改修が必要なケースも考えられます。

アプリケーションにIPアドレスやIDがハードコーディングされている

アプリケーションそのものにIPアドレスやハードウェアなどのIDがハードコーディングされているような場合、AWSに移行を行うタイミングでやはりアプリケーション改修と動作テストが必要になるでしょう。

クラスタや負荷分散設定

オンプレミス環境でクラスタ構成を組んでいる場合、構成によっては実現方式を見直すことになるかもしれません。同様にロードバランサーを利用していて、アプリケーション要件で特殊な負荷分散設定を行っているケースなども注意が必要です。

以上が、オンプレミスからAWSのクラウド環境への移行を考えるための事前準備に必要なこととなります。
次回は「計画と実施」について紹介します。

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